冬には平成5年会とか平成6年会とか、高校生バンドマンが楽しみにしている(であろう・・)イベントを開催します。
主催する側としても、盛り上がってほしいし、ここから新しい波が生まれてくれればいいなと思ってはいるのですが・・
最近の傾向で、個人的にどうも引っかかる点があるんですよ。
まず、
部活で組んだバンドの割合が増えてきたこと。
自分はこの点は関係者にもよく話をしてきてるんですが、
軽音部の環境がよくなってきていること自体は悪くないと思うし、そのおかげでバンドが一般的に認知されて間口が広がったことは事実です。
普通の高校生がギターを背負って登校する光景も、別に珍しくはなくなりました。
ある時期までは、それが「いい流れ」と思っていたのですが、ここ数年はほとんどの高校に軽音部やギター部といったバンド系の部活が整い、部員も相当な数がいるとか。
そうなってきた結果、高校生バンドシーンの主流が、部活のバンドという風に数が逆転してしまったんですね。
イベントをやっていて、だんだんその影響が出てきたなあと感じるのは、
●学校の予定に左右されるようになった
ぶっちゃけちょっと昔は、学校サボってライブのリハに行くくらいの感じが普通だったし、帰りも遅くなるから友達同士てうまく口裏合わせて親に連絡してもらったり、テスト期間中は早く帰れるからスタジオたくさん入ったり、学校とバンド活動は別モノってイメージが強かったのですが(それが正しいかどうかはわかりませんがw)、最近はテスト前は活動自体がストップ、放課後も遅くまで勉強したり塾があったりで平日のライブをするバンドが激減。ライブのできる時期が、一番需要のある週末に集中してしまうことで、変な偏りができてしまってます。
「テスト期間はバンド活動をしてはいけない」くらいの感じが普通になっちゃってるんじゃないでしょうか。
ギターとか、毎日触らないと上達しないよ、とかよく言われたものですが、テスト期間はそれすらなくなってるんでしょうね。
●キャンセルが増えた
練習するといったらやっぱりスタジオを使うものでしたが、今は部室が主流。
スタジオを予約したら、たとえメンバーに急な用事ができても残ったメンバーで入るし、キャンセルすれば全額キャンセル代がかかってしまうので、時間を無駄にしないようにみんなで集中して練習しようとしてたし、優先順位はスタジオが割りと高い方にあったと思うんですが、
部室だと、
「今日は揃わないからやめにしようか」とか、
「用事できたから今日は行けない」
みたいな感覚でも、実際にキャンセル料とか発生しないから、きっと実感として沸かないんですよね。
ライブも同様で、
「やっぱりやめます」、
「ちょっと用事できたのでやっぱり出れません」
といった軽い理由のキャンセルが急増してるんです。
バンド活動において、ライブって相当大事な日だと思うんですよね。
それこそ部活でいえば野球部の甲子園予選の県大会みたいな。
それを「ちょっと用事ができた」からキャンセルっていう感覚が自分には理解できません。
箱ライブと校内ライブの違い
部活では校内ライブとかも定期的にあるみたいなので、よく「ライブは毎月やってます!でも箱ライブは初めてです!」といった話を聞きます。
普通、ライブハウスに出演するのが「ライブ」で、学校内でのライブは「校内ライブ・内ライブ」みたいな括りだと思うんんですが、最近は校内ライブを「ライブ」で、ライブハウスが「外ライブ・箱ライブ」みたいな言い方をするんですね。
これは結構ショックを受けました。もはやライブハウスは「外」のライブなんだなと。
なので学生からすれば、校内で無料で見に行けるライブがあるのに、なんでわざわざチケット代とドリンク代払ってまでライブハウスに行かなきゃ行けないの?って心理はあるんでしょうね。
チケットを売らない
まぁこれはバンドシーン全体に言えることだし、不景気な世の中の影響もあるとは思うんですが、ある意味「
ライブに対する価値観が下がった」のかもしれません。
先に書いた「外ライブ」のこともあるので、お金を払ってライブをするというのが最早学生にとってはナンセンスなことなのかもしれません。
ただ、チケットを値下げしたり無料で呼んでしまったりすると、ノルマ分は自腹になってしまうので、「ノルマは払うもの」「ライブハウスに出演するのにはお金がかかる」といった悪い傾向になってしまう悪循環に陥ってしまいがちです。
大学生も同様だと思うんですが、やはりサークルライブばかりに慣れてしまうと、例えば県外からバンドが来るよ、とか、かっこいいバンドと対バンしてみない、とか、そういったバンドの成長に必要なブッキングも、「お金がかかる」という部分で消極的になってしまうし、結局バンドの質もだんだん下がってしまってる気がします(個々の演奏は上手いんですよ。でも質が悪い)。
打たれ弱い
草食系男子が増えてきた世の中の流れもあるんでしょうけど、どうもバンドをやる人が、どちらかというとアウトローな人が多かった時代に比べて、真面目な、いたって普通の人がバンドマンになってしまってるんですね。
勉強と同じで、要領はいいので技術はすぐ身につくのですが、上手くいかなかったときの対応とか、失敗したときのメンタル面とか、そこが非常に脆い気がします。ましてや怒られたりしたら反省どころか凹みすぎて帰ってこないか、逆ギレして影で批判してたりとか、どうも気持ちの面で打たれ弱い人が多いなと感じます。
あと挨拶も、声が小さかったりモジモジしてばっかりとか、全然人の目を見て話さなかったり、人としてどうなの?って思うことも実は年々増えてきてます。残念ながらこれは自分が年をとったせいではないと思うんですね。
なんかいろいろ否定的なことばかり書いちゃいましたが、素直に自分が感じている「悪い面」です。
もちろんいいこともたくさんあるんですけど、正直部活バンドよりも別々の学校で組んだバンドのほうが個人的には応援したい気持ちになります。偏見かもしれませんが、ここ数年の平成世代の中心になっているバンドは、やっぱり別々の学校のバンドの割合が多いんですよ。
そして、メンバーが抜けたりしても、そこから続けていけるガッツがあるバンドは、なぜか別々の学校のメンバーになります。
albatrossにしても、SA-Dにしても、TRIBALにしても、バラバラなんですよね。
部活が全て悪いとは思いませんが、一歩学校を出れば年も世代も関係なく同じ「バンドマン」って括りになるし、同じ「社会人」の一員です。
そこをしっかりと意識しているかどうかが、大きな違いなんじゃないかなーと思うんです。
これを読んでる高校生のみなさんはどう感じるでしょうか?
自分は若手バンドを否定する気もないし、もちろん応援したい気持ちが昔から変わってません。
が、キャッチボールをするのに、昔はボールを投げればよかったのが、最近はグローブの持ち方とか、受けたら投げ返すんだよ、といったやりかたまで一つ一つ教えなきゃいけないのかなーって、若干疲れてしまってる部分もあるんですよ。
そして、それをどうやったら解決できるかという方法もまだ見えてません。
一緒に考えて、よいよい方向に持っていくためのディスカッションとか、できたらいいなーとは思ってるんですが。
大事なイベントに誘うバンドと、そうでないバンドの違いも、そういう気持ちの部分が実は多いのかもしれません。
そんなアラサーのつぶやきだと思ってもらえれば。
- 2010/09/21(火) 21:01:27|
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