先週・今週と、全部で8校の高校の文化祭にPAや機材レンタルで回ってきました。
毎年タイトなスケジュールで汗だくになってるのですが、今年は更にタイトでしたねー;
一応、自分が行ってるところには次年度への申し送りのような形でアドバイスしてるんですが、直接関わりのない学校も多くなってきたので、ちょっと気になってることをいくつか。
バンドが演奏するために必要な「準備」の部分をあまり知らない人がほとんどなので、どうしても「リハーサル」や「本番・転換時間」、「機材の種類」のほうに気がいってしまいがちですが、それも全部きちんと音響機材が設営されて調整も完了してからの話です。
機材の仕込みの時間がどの学校もものすごく短く設定されてるんですよね。
事前にきちんと打ち合わせできている学校は、運搬~設営~音だしまでの時間を2時間程度とって、そこからバンドのリハーサルを開始できるように組んでいるので、バランスよく音も出せるし、モニターの注文にもバッチリ応えられるのですが、実際は直前の演目から15分くらいしか時間がとられてないことがほとんどです。
例えば
8:30集合、機材準備
9:00~10:00バンドリハーサル
(すぐステージ上を片付ける)
10:00~10:50 演劇
(機材を再度セッティング)
11:00~12:20 バンド演奏
(ここで全部ステージ上を片付ける)
12:30~13:00 吹奏楽
13:00~閉会式
(ここまでに卓回りも全部バラす)
みたいな。
ドラムセット、アンプ類だけの持込ならできなくはないですが、いわゆる「マイクもお願いします」みたいなPA機材もとなると、さすがに無理ですねー;
しかもリハーサル後に演劇があるからステージ上を全部片付けなくちゃいけないので、また一からやり直しです。
事前に相談してもらえば、細かい部分もアドバイスできるんですが、結構時間までビッシリ決まった状態で機材の相談にくることが増えてきたので、やはりこのあたりの調整が難しいです。。
あと、リハーサルはほとんどの場合「練習」になってしまってるので、当日やる必要はないんですよねー。
正直、詰め込まれたスケジュールの中でのリハーサルはリハーサルとはいえない状態になってしまっているので、ぶっちゃけその間にメインやモニタースピーカーのチューニングをしたり、回線のチェックをしながらレベル取ったりして、リハーサル終了までに卓周りを仕込み終える、みたいなやり方で凌いでいます。
みんなアンプの音量もリハと本番でバラバラですから。
立ち位置が変わったり、急にメンバーが増えたりもザラです。
あと、最近はわからないことがあっても全然聞きにこないんですねー。
アンプと睨めっこして、「全然わっかんねー、なにこれ!」とか友達と文句言い合ってるだけの人が多いです。
どんな曲を演奏して、どんな音を出したいのかがわかれば、そのアンプで出せる、よりベターな音ぐらい作れますし、音が聞こえないとか問題に対しても解決する方法はアドバイスできますので。
なんとなくですけど、ただ音響の面倒見てくれる人、みたいな扱いに思ってる人の割合は年々増えてきてるかもですね。特に部活として機材が充実したり、規模が大きくなってる学校ほど。
結構、田舎の学校なんかは最初から「俺全然わかんないんで教えてもらっていいっすか?」みたいに聞いてくれます。なのでこちらも教えやすいです。結果、あまりトラブった経験はないんですよね。
一緒にいいライブ作っていきましょうよ、って気持ちで、お互いサポートしあうのが、その日を成功させるための最低限の条件だと思うので、なかなかそういう関係を築けない場合は苦戦します。
こちらも、せっかく年に一回の大事な日に関われてるわけだし、気持ちよく演奏できるように努力してるんですけど、それが一方通行だとなかなか難しいわけです。
もっと効率よく、いい音で、時によっては予算面でも工夫して、力になれると思ってるんですけどね。
ただの業者さん、って思われると、なんかちょっと寂しいです。
その点、ちゃんとわかっていてこまめに連絡を取り合ってる学校は、予算に対して相当サービスしてたりもします(笑)値引きとかそういう部分じゃなく、ライブのクオリティの面で、充実してると思います。
まぁ変な話ですけど、同じ1本1000円で見積もってるマイクでも、リハ後10分で全部バラシするような危険な現場と、ちゃんと撤収の段取り組んで機材の移動が出来る現場では、持って行くマイクの種類も変わります。壊れても諦めがつく価格帯のものと、性能もよくて大事にしてるもの。やっぱ怖いですから。
まぁ、これだけ読んでると、なんか都合のいいように手を抜いてる感があるかもしれませんが、実際に現場で会ったことのある人はわかると思いますが、かなり無理を承知でガチな対応をしてるんですよ。
いくら見積もりにないからといっても、カツカツのタイムテーブルをこなすためには予算に計上されてないスタッフも当然連れて行きますし、その他一式¥5000とかには数万円分の周辺機器も含まれてます。
当たり前のように貸してるシールドとかギタースタンドとかも、本来は出演者が用意するものなんですけどね。
自分なんかは小さな個人の音響屋に毛が生えたみたいなもんですけど、なんでもサービスすればいいってもんじゃないし、今後ライブハウスとかでステージに立つ機会のある人たちなら、最低限のマナーとか、常識は知って欲しいと思うので、多少厳しく対応したりもしてます。
それを「なんだよあれ。感じ悪い」ととるか、一つのアドバイスとして受け止めてくれるか、そのあたりが今後のバンド活動の中で見えてくるんじゃないかなーって思ったりもします。
難しい立ち位置なんですけどね。
文化祭終わって積み込みも終わって、部員とかバンドみんなが集まって「ありがとうございました!」なんて光景も、昔はどの学校も当たり前だったけど、今年は半分だけでしたね。
自分が終わったらハイ終了、それが当たり前になってしまっているのも時代の流れなのか、単に自分の貫禄がないだけなのか。
まぁ、丸3日間ほぼ不眠不休で頑張った達成感は、ちょっと物足りない気分でした。
次はジャズフェス、来月からは大学祭シーズン。
各現場、精一杯頑張っていきますよ!
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- 2011/09/04(日) 22:27:56|
- たっけの日記|
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