不景気とも相まって、気になることがひとつ。
以前と比べ、サービスに対する価値の下落が著しいなと感じるんです。
ライブでも同様で、以前はライブハウスのブッキングも¥1500×30枚とか、¥1200×30枚というのが当たり前で、もちろんそれに出演するためにデモテープ審査とかオーディションもあって、出演できたときの喜びは大きかった記憶があります。
そういうライブハウスでイベントを組むには、企画持込であれば¥1500×100枚分のチケットノルマとか、ホールレンタルなら1日18万円とか、そういう「サービスに対する対価」が必要だったわけです。
それはもちろんライブハウスを稼動するのはボランティアではできませんから、スタッフの人件費、設備投資費、維持費、消耗品費、例えば1回のライブでシンバルが割れた、アンプが壊れた、それだけで数万円の出費になる、その危険が30日あるということは、バンドが想像以上に維持していくためのお金というものは高額なんですよね。
もちろんそれには直接お金がかからないまでも、バンドの活動のフォローとか、今後につながるアドバイスとか、そういうお金以外の部分も「熱意」でケアしてくれるわけです。
バンドとしては、自分たちの価値を高めることで、それに見合ったイベントや対バンとのブッキングが受けられるのですから、じぶんをのステージを見せるのにかかるチケット代は、どんどん高くなっていくべきだと思うんです。
自分たちの曲作りのためのスタジオ代、サウンドを良くするための機材代、バンドもいろいろなことにお金と時間を投資してます。
ところが最近では、どうもライブに対する価値がどんどん下がってしまっているような気がします。
チケット代も下がり、ライブに出演する際にかけられるノルマも低くなる一方です。
バンドにとって嬉しいことかもしれませんが、逆に自分たちの首を絞めているとも言えるんですよね。
ノルマが下がって、逆にチケットをたくさん売ろうとする前向きなバンドはまだ少ないと思います。○枚売ればいいや、とか、いくら払えばいいや、という感覚がまだ蔓延してます。
そうなると、ライブハウスや見込めるチケット売り上げは下がります。
1ヶ月の稼働日は決まっていますし、先に投資した設備の回収額も決まってます。要は出費は減らないのに収入だけが減ります。
ホールレンタル代は、ほとんどの場合金額が決まっています。
イベンターはそれを支払ってホールを借りてイベントを開催します。
ホール代が15万、バンドにかかるノルマが500円×20枚、それが6バンド。
純粋にバンドがチケットを売って収入が見込める額は60000円です。
残り9万円分、180枚のチケットを売らなければ、主催者は大赤字となるわけです。
赤字を打ってまで続けるような慈善事業は個人にはできませんよね。
当然、開催ペースは落ちます。
最近個人イベンターといわれる人が激減したのも、おそらくお金の問題が大きいのかもしれません。
継続していくためには、収支のバランスを合わせることが必要です。
チケットをたくさん売れるバンドを集めたくなりますよね。
500円で20枚売れるかどうかわからない高校生バンドより、1500円で30枚見込める県外からのゲストバンドを呼んだほうが、確実なわけです。
結果的に、安いイベントは長続きせず、自然と淘汰されてしまうことで、自分たちの出れる間口が狭くなってしまう時期がいずれ来ると思うわけです。
難しい話になってきました。
続きは週末のイベントが終わったら書きます。
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- 2009/12/09(水) 23:29:13|
- たっけの日記|
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