2010年1月号(通算72号)掲載インタビュー
Rake http://www.rake.jp/
[PROFILE]
仙台出身のシンガーソングライター、Rake。
家にあったアンティークギターを弾いたことが音楽をはじめるきっかけ。野球に熱中した中学時代と、ハードロックバンドに賭けた高校時代を経て大学生で"歌う"ことに目覚める。地元仙台を中心にライブ活動をしていたところMONKEY MAJIK、GREEEEN、キマグレン、HI-FI CAMPらを輩出したエドワード・エンターテインメント・グループにより、その才能を見出される。monkey majikやキマグレンの全国ツアーでのオープニングアクトをつとめデビュー前から、ライブでの圧倒的なパフォーマンスが早くも話題となっている。
-環境が変わっても、ライブへの意気込みや一曲に込める想いは変わらない。
ずっと音楽活動をしてきた仙台から、全国へ音楽を届けて、仙台のシーンに少しでも力になれたらなと思ってます-
■よろしくお願いします。
R:Rakeと書いてレイクです。よろしくお願いします!
■なんと今月1月13日にメジャーデビューシングル発売ということで、おめでとうございます!
R:ありがとうございます。1月13日にデビューシングル「Fly away」が発売になります!是非チェックしてみてください。
■ずっと、仙台で一緒にライブとかやってきた友達がこうしてデビューを迎えられて俺もほんと嬉しいです!このRakeっていう呼び方がまだちょっと引っ掛かるくらい昔から知ってる仲ですが、久しぶりですね。
R:もう知り合ってから結構経ちますよね。
■最近はずっと忙しくしてたんですか?
R:そうですね。割と制作中心だったんですけど、勾当台公園での夏祭りのイベントとか、東京でもキャンペーンを兼ねてちょこちょこイベントでライブをやったりしてましたよ。でも確かに仙台ではあまり最近やれてないかもしれませんね。
■そういうところでやってみて、反応はどうでしたか?
R:そうですね、元々僕もライブハウスでライブしてきた人間なので、やっぱり最初はそれとは違う環境、ライブハウスに来るお客さんではなく一般の方の前で演奏するっていうのは難しさもあったんですけど、ある意味そういう方たちって、純粋に音楽を聴いてくれる人たちが多くてすごく素直な感想をくれるので、今はもちろん今までみたいにライブハウスでもやりたいですし、ライブハウス以外の色んなイベントにも出たいなと思ってますね。
■Rakeという名前はどんな意味があるんですか?
R:日本語に訳すと「熊手」とか「耕す」といった意味になってるんです。音楽を聴くと明日また頑張ろうと思えたり、心が温かくなったり、僕らの心を豊かにする力があるじゃないですか。僕もそういう歌を歌いたいなという気持ちで「Rake」として活動してます。
■懐かしいものを掘り起こされるし、暖かい気持ちになりますね。懐かしいといえば、高校の頃の話も聞いてみたいのですが。
R:今はアコースティックギターを持って歌ってますが、高校の頃は今とは違うスタイルでエレキギターを高い位置に構えてハードロックやってたので、学校の部活でやってたわけじゃないんですけど、下手な部活より忙しいんじゃないかってくらいバンドに打ち込んでましたね。
■高校の頃は相当練習したんですよね?
R:本当にギターばっかりやってて、四六時中弾いてましたね。それを練習とは思ってなかったんですけど、夏休みの時には1日10時間やろうって思って、毎日10時間やってました。
■10時間!?
R:好きなので、練習をするんだという感覚では弾いてないですけど、いいプレイとかライブを聴くと僕も弾きたいなと思うので、とにかく弾いてましたね。
■どうしてエレキからアコースティックに持ち替えたんですか?
R:高校を卒業する時って、みんなどの進路に行くのかって問題があると思うんですね。僕らも、5人組のバンドだったんですが、ボーカルは学校の先生になりたいんだってなって、ドラムとベースは音楽の専門学校に行きたいと東京に行くことになって、ギターは一般の大学に進むことになって、僕は音楽は好きだったんですけど、もっといろんなことを見てみたいなと思ってバンド活動から離れた時期があったんですね。でもその中でも曲を作ったりギターを弾いたりというのは自然にやっていたんです。そしたらライブがやりたくなってきて、ボーカルを探してたんですよ。いろんなボーカルの方とユニットみたいな形でやってたんですが、なかなかフィットするような出会いがなくて。でも曲もできてきたし、じゃあ自分で歌ってみようって20歳の頃に思ったのが最初ですかね。原点はギターを弾き始めてギターキッズだったのが始まりなんですけど、今は歌も好きですね。
■歌い出した頃はどんな気持ちでした?
R:歌い始める時は、勇気が要りましたね。ただ、今までギターを通して音楽というものがあったんですけど、歌うことによって声をいう違う楽器を通しての音楽はとても新鮮で、さらに音楽にのめりこめたというのはありますね。
■その頃はバンド形式でも活動してましたよね。
R:歌い始めてからはもちろん弾き語りもしましたし、スリーピースバンドでも活動してたんですが、仙台のスーパーパーカッショナーのナオハルさんと出会って、一緒にユニットでやったり、形式にはこだわってません。シンガーソングライターRakeとなってますが、ライブではバンドでもやりますし、ソロでもやりますし、形式にとらわれずに活動していきたいですね。
■昔から色々バンドをやってきて、結構ヘビーなのも好きですよね。高校時代はメタリカやってたじゃないですか(笑)でも、その後ソロになって、アコースティックとかもやって。で、今の曲を聴いてみると、色んな要素が入ってますよね。これはいつ頃出来た曲なんですか?
R:これはちょうど一年前くらいに出来た曲です。僕も迷いながら、どうやって表現したらいいかなとか、どうやって音楽を続けて行ったらいいかなとか思いながらやってたんですけど…。
■メジャーっていうのはやはり意識しますよね。より多くの人に聴いてもらうっていうこと考えると。
R:でもまぁ、そういう中で、迷うときこそ自分を信じて、仲間を信じて、前に踏み出そうよっていうのが大事だと思って。自分もそうやって前に踏み出して行くことで色んな環境が変わり始めたっていうのもあるので。だからそういう、前に一歩踏み出してみようよっていう思いで歌ってますね、「Fly away」は。
■デビューが決まってから、身の周りの反応はどうでしたか?
R:周りの友達だったりとか、昔から応援してくれてる人たちとかが、ほんとに喜んでくれて。そういう人たちのメールや声を貰うと、もっともっと頑張りたいなと思います。ここからがスタートだと思うので。
■デビューに至るまで大変だったことは?
R:いっぱいありますよ(笑)とは言っても僕も仙台で音楽活動をしてきたので、例えば何かのオーディションで受かってプロ活動を始める人もいるとは思うんですけど、音楽を仕事にするって漠然としているじゃないですか。抽象的だし、どうしたらそこにたどり着けるかわからないし、これがその道だよってはっきり見えることでもないじゃないですか。僕もそれを考えながら活動してきたんですが、ずっと思っていたのは、自分が納得できる曲をしっかり作って、自分が思う表現というものをできるようになりたいというのが僕の中にあったので、こういう歌を歌いたいとか、こういうギターが弾きたいとか、そこを突き詰めて、ある程度これが俺の表現だって思えるようになったら、いろんなところに出て行ったりしていけばいいなと思います。
■売り出すことを目的とした音楽がすごく多いなと感じることが多い中で、自分の音楽を突き詰めている本当の音楽に触れている気がしてすごく嬉しいです。
R:でも、僕も正直ギターが好きでギターを始めて、自分が本当にかっこいいと思える音楽をやってきたつもりで、心のどこかでは自分がプロミュージシャンになるということが、そういうところとはまた違うところで音楽をやっているのかなって思う時期があって悩んだりもしたんですが。やはり自分の表現を突き詰めていった結果、今月デビューシングルを出すことができて、繋がっていったので、曲の中でも歌っているんですが「自分を信
じて、自分に厳しく音楽を突き詰めていく」ってことも大事だと思います。もちろん楽しくやるのが第一条件ですけど。
■逆にこれは楽しかったと思えることは?
R:振り返った時に、全然違うジャンルをやってた高校時代とか、ハードロックをやっていたこととか、全てが自分のバックグラウンドというか、一つ一つが積み重なって今のスタイルになっているので、無駄なことはひとつもないし、昔の言葉で「若いころの苦労は買ってでもしろ」って言うように「こんなの意味ないよ」って思う前に、一つ一つの曲もそうですし、お客さんが多い・少ないに関係なく目の前のライブにトライしていくというのがいいと思うし、そういう毎日を振り返ると楽しい日々だったなと思います。
■今の若いバンドマンを見てなにか思うことや感じることはありますか?
R:仙台っていいバンドがたくさんいると思うんですよ。一生懸命音楽に打ち込んでいる人がいっぱいいるんですけど、今までって、それこそ僕が高校の頃とか仙台にいながらプロ活動をするって難しかったんですけど、仙台とか名古屋とか東京じゃないところでプロ活動をするというのがスタンダードになってきてたので、これからもっとそういう可能性を示せていけるような活動をしていきたいと思ってますし、仙台にいるアーティストとも一緒に頑張っていきたいと思ってます。
■バンド活動で悩んでいる人へのアドバイス などありますか?
R:最近感じるのは、これが自分では一番合っていると思っていても、音楽には無限の可能性があるので、案外このジャンルはいいと思っている人でも、ちょっと違うほうに目を向けてみたらそこに自分のすごく輝く場所があったりするので、特に若くて音楽をやってる時は、「これが俺の音楽だ」と思いたいですしそういうプライドも大事なんですが、まだまだ自分の可能性を探してほしいですね。
■バンドというものが下火になってるという話もありますが。
R:どうなんでしょうね。もちろん昔ほどバンドの数だったり楽器をやる人の数が減ってきているのかもしれませんが、その分、ダンスで表現したり、シンガーとかで活動していたり、熱い思いを持っている人はたくさんいると思います。
■最近仙台のライブ環境は増えましたよね。 昔と今と比べて感じることはありますか?
R:例えば、僕らが高校生の頃とか、ライブハウスに出るのに敷居が高かったりしましたけど、今は良くも悪くも、表現の場所がたくさんあると思うんですよ。ジャズフェスみたいなイベントや、ライブハウスもたくさん増えましたし、まずライブをしてみるという考えも大事だと思います。
■Rakeは「まずやってみよう」っていう始め方が多いですよね(笑)
R:でも僕自身はやる前に悩んだり、失敗するんじゃないかって考えてしまうほうなんですよ。
■それはきっと練習に裏づけされた自信があ るからじゃないでしょうか?
R:自信はないんですけど、やる前に準備をしっかりして、きちんと準備したと思えれば思い切ってステージに立てますし、そうやってるだけですよ。
■きっとライブが好きなんですね。
R:もちろん制作も好きですし曲を作るのも好きですけど、そのできた曲をいろんな方に聴いてもらって、同じ曲なんですけど人に聞いてもらうことによって曲が成長していくというところもあると思うので、ライブを通していろんな人とつながっていったり、ライブは好きですね。
■ところでプライベートは何をしてるんですか?
R:いろいろしてますよ。映画を見たり、最近はスノーボードをはじめたり。でも音楽って好きでやっていることなので、休みといっても曲を作ったりしますし。音楽が好きなんですよ。
■今後の夢や目標を聞かせて下さい。
R:僕自身はもちろん環境が少し変わって、自分の中での意識とかも変わってきたんですが、ライブに対する意気込みだったりとか、一曲にこめる思いというのは変わらないですし、一つ一つを大切に表現していきたいなということは変わらないんですが、今こうやって仙台でずっと音楽活動してきた自分としても全国で音楽を届けて、仙台でもそういうことができるんだってことを、今の仙台のシーンの中で少しでも力になれたらとは思いますね。仙台にはこんなにいい音楽をやっている人がいるということを伝えていきたいなと思ってます。
■ありがとうございました!これからも応援してます。
R:ありがとうございました!
(インタビュー:野田将光)
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- 2010/01/01(金) 00:00:01|
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